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五箇山民謡「こきりこ節」を、歌詞中心に語ります

日本最古の民謡「こきりこ節」について紹介します。音楽の教科書に載ったりもしてるので、知っている方は多いのではないでしょうか。

2017年6月3日(土)~4日(日)には、古民家の野外博物館・川崎市立日本民家園における、世界遺産・五箇山がやってくるイベントで披露されました。これに限らず、民謡保存会も観光協会も、あちこちで活動しているようです。(6月5日追記)

川崎市立日本民家園の、五箇山が来るイベントに行ってきました
2017年6月3日に行ってきました。私は一応もと地元民ですが、いち観光客として満喫してしまいました。ホームページに出ていた案内よりも規模が大・・・

(↓世界遺産=相倉集落。こきりこ発祥の上梨集落も、昔はこんな風情だったに違いない)
相倉眺望

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こきりこ節

自分が地元で踊ってた当時に見聞きしたり考えたことと、今回調べたことを取り交ぜながら書いていきます。というか、こきりこ節は日本最古だってことを初めて知ったような。(早速)

「こきりこ」は、越中五箇山・上梨の山里を中心に伝承された全国的に有名な古代民謡である。
 多くの民謡は起源や伝承の経緯がつまびらかでないのに比べ、この唄は『越の下草』や二十四輩順挿図絵、『奇談北国巡杖記』などの古文献に記載されており、来歴がかなり明確である。したがって、大化改新(約1400年前)の頃から田楽として歌い継がれてきたという語り伝えも、かなり信憑性のあるものと思われる。
筑子唄 – 五箇山上梨ポータル こきりこ.COM

まずは踊りの動画を

YouTubeから、動画を2本紹介させていただきます。

このあと、歌詞の解説もしますので、どちらを先に見るかはお好みでどうぞ。

民謡保存会の舞台

テンポゆっくりめで味わいがあります。地元のとーちゃんかーちゃん、にーちゃんねーちゃんたちが頑張っています。

平高校の舞台

声も動きも若い! 振りが揃ってる! なんか「芸術」になってる!?
高校文化祭の全国大会常連・富山県立南砺平高等学校(旧富山県立平高等学校)による、ひと味違う民謡舞台です。

こきりこの歌詞と意味

ひとつめの動画で歌われている歌詞を書き出していきます。10番まであります。
日常の所感だったり、なんだかコミカルだったり、色っぽかったり、と何でも唄っていて面白いですよ。

1(入場)
『こきりこの竹は 七寸五分じゃ
長いは袖の カナカイじゃ
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

カナカイ=邪魔になる、の意味。
地方(じかた=伴奏者)の左端2人が、両手に持ってカチカチ鳴らしてる細い竹が、いわゆる「こきりこの竹」です。
ちなみに、これに和紙のフサフサ(紙垂:しで)が付くと、女性の踊り手が持つ「しで竹」になります。

お囃子の部分の由来は諸説あるようです。私は気持ち良い晴れのイメージでいますが。デデレコデン、は太鼓の音を表してるって説が有力だそうな。


『踊りたか踊れ 泣く子をいくせ
ササラは窓の もとにある
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

いくせ=よこせ。
踊りたいなら行っておいでよ、赤ん坊は見てるから、と、祭りの日の一コマでしょうか。

ササラは、男性の踊り手が持っているやつです。短冊状の板を108枚束ねてあって、手首のスナップをきかせて鳴らします。


『向かいの山を 担(かづ)ことすれば
荷縄が切れて かづかれん
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

担かれん=かつげない・背負えない。

これ、私はツボなんです。なんで向かいの山とか背負おうと思ったのか。そりゃ縄も切れますって。
自然の偉大さを言いたいのかもしれません。

4(しで→ささら入替)
『向かいの山に 啼(な)く鵯(ヒヨドリ)は
啼いては下がり 啼いては上がり
朝草刈りの 目をば、さます
朝草刈りの 目をさます
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

向かいの山から聞こえるヒヨドリの鳴き声で、朝の仕事が始まる、爽やかなイメージ。「目をば、さます」の「ば」は、単なる音数合わせというか合いの手というか、そんなやつでしょう。


『月見て歌ふ 放下(ほうか)のコキリコ
竹の夜声(よごえ)の 澄みわたる
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

放下=放下僧または放下師。放浪の僧侶が、うたを歌い舞を舞って、いつしか曲芸師みたいになって放下師と呼ばれるようになった・・・みたいです。(よく理解してません、すんません)

そんな僧の格好をした人が、月明かりに照らされて歌う。勝手に幻想的だと思っています。


『万(よろず)のササイ 放下(ほうげ)すれば
月は照るなり 霊(たま)祭り
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

万のササイ=さまざまな、取るに足らない些細な事柄。
放下=投げ捨てる。
タママツリ=上梨地区の白山宮前で行われる、後醍醐天皇の慰霊祭のこと。現在もこきりこ祭りとして続いており、獅子舞や踊りが奉納される。

これも幻想的で深い・・・!

7(ささら→手踊り入替)
『波の屋島を のがれ来て
薪樵るてふ(たきぎこるちょう) 深山辺(みやまべ)に
烏帽子(えぼし)狩衣(かりぎぬ) 脱ぎ捨てて
今は越路(こしじ)の 杣刀(そまがたな)
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

烏帽子狩衣=平安時代の貴族の普段着。滅亡した平家のかつての繁栄の象徴。
越路=越の国のこと。富山は越中国。
杣刀=枝打ちやまき割りなどに使う、鉈などの工具。

屋島の源平合戦に敗れ、木こりがたきぎを切っているような深い山奥へ落ち延びて、今までの栄華も刀も捨てて、代わりに鉈を持って生きている・・・という感じの歌詞。五箇山には、平家の落ち武者が住み着いたとの伝説があります。

これ、じつは麦屋節の歌詞と、ほとんどそっくりです。節回しがだいぶ違うので、なかなか気付かないですが。
麦屋節は、こきりこと同じく無形文化財に指定された五箇山民謡で、平家の落人が、かつての栄華を偲んで唄ったとされています。哀愁も力強さも感じることができます。


『娘十七、八 大唐(たいとう)の藁(わら)じゃ
打たねど腰が しなやかな
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

大唐の藁=中国の米の一種で、藁がとてもしなやかなんだとか。
数え年で十七、八なんでしょうから、満年齢では15、6です。色気が出てくる年頃ってか?


『想いと恋と 笹舟にのせりゃ
想いは沈む 恋は浮く
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

現代人にもサラッと通じる詞です。(珍しい)
これまた色っぽい上に深いですね。

10(退場)
『こきりこの竹は 七寸五分じゃ
長いは袖の カナカイじゃ
窓のサンサも デデレコデン
晴れのサンサも デデレコデン』

一番有名な詞を、もういちど唄って終わりです。
竹の丁度良い長さについて唄っている、というのが表面的な解説ですが、そこにどんな気持ちが込められていたのでしょうか。

参考サイト、書籍

歌詞と意味、民謡の由来参考:
筑子唄 – 五箇山上梨ポータル こきりこ.COM
五箇山民謡 – 五箇山総合案内所~五箇山彩歳~ →移転 文化|五箇山彩歳 世界遺産 五箇山観光情報サイト
麦屋節 – 世界の民謡・童謡
麦や節 – 五箇山~小さな世界遺産の村~
古代民謡 筑子 (越中五箇山筑子唄保存会作成のパンフレット)
越中五箇山 平村史 続編/平成19年3月/発行・南砺市 

動画共有元:
五箇山民謡チャンネル
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