ゴールデンウイークに、母と主人と一緒に、山へくぐみを採りに行けました。また、親戚が集まった時に、山菜談義に花が咲く瞬間がありました。せっかくなので覚え書きを書いておこうと思います。
山菜それぞれ
山での様子や採り方、世話の仕方などなど。
※山菜の時期や種類は、地域によって異なります。ここでは富山県の南西部(石川・岐阜に近い辺り)の例です。
※山菜の下処理については、人それぞれ流儀があります。あく抜きする/しないといった方向性はあるものの、絶対の正解はありません。(方法が違うと「うちの味」にならなかったりします。一般の家庭料理と同じで奥が深いです)
この記事で書いているのは、あくまで私の実家や親戚の場合、です。
採り尽くしてしまうと来年出なくなってしまうので、芽を残すようにします。また、山によっては他人様の敷地だったり、自然保護のため植物の採取禁止だったり、いろいろな場合があります。熊や毒虫が出る、農薬などが撒かれている、踏み外しやすい場所がある、といった危険も考えられます。
山菜を採るときは下調べして、マナー違反・違法や、危険のないようにしてくださいませ。(私は母頼りです。知ってる人についていくのが早道)
くぐみ(こごみ)
★生える時期
雪が解けてから出てくるので、ゴールデンウイークの頃が一つの目安ではあります。
ただ、近年はほとんど雪が積もらない年もあって、そういう年は出るのが妙に早いです。
2014.4.30 → 採ったのは2014年4/26(土)~27(日)だと思います。
2016.4.20 → 記事より、2016年4/16(土)~17(日)の時点で結構出ていたようです。
★採り方
くぐみだけなら、軽々しい服装で行っちゃってます。長靴、軍手、くぐみを入れるビニール袋、を装備します。長袖長ズボンです。
(↓畑の奥の斜面を目指す)
くぐみは、頭が固く締まっている、茎が太くてツヤがある、という物が美味しいです。背が伸びていても、頭がキュッと締まっていれば、先端部分だけ折ったりします。
くぐみの茎は、断面がV字になっています。このVを畳む方向に力をかけると、裂けたりしないで綺麗に折れやすいです。
余談ですが、山で生でかじってみたけど食べれたって身内が言ってました(非推奨)
また、くぐみは出てからほうける(伸びて開いて、食用に向く状態でなくなる)まで、かなり早いです。
今年(2017年)は、5月3日午前に何も生えてなかったという斜面が、5月5日夕方には、ほうけてボウボウになっていました。
★おすそ分けをする場合
洗う・茹でると傷むのが早まるので、山で採れた状態のままお裾分けします。
新聞にくるんで、紙袋に入れて、なるべく温まらないようにして運びます。新聞は湿らせておくとなお良いです。
もし宅急便で送る時は、新聞にくるんだ上でビニール袋に入れて、クール便で送ります。先方に連絡をして、確実に受け取ってもらえるようにしましょう。
ビニールに入れると汗をかくので良くないそうでですが、宅急便の場合は仕方ないです。
★保管・世話
湿らせた新聞紙にくるんで、玄関(涼しい)に転がしたまま、2~3日置いといても平気です。1週間もつ、と言ってる親戚もありました。
そんでもって、食べるときに、洗ってゆでます。ゆでてしまえば、日持ちは2~3日くらいです。(あるいは冷凍)
一般的な世話については、こちらに詳しく書いてますのでご覧ください↓
驚いたのは、干しくぐみにする場合は洗わずに茹でちゃってもOKだそうです。ゴミは干すうちに飛んでいく、というわけで。
干す過程で、手でコロコロ丸めて、扱いやすい形に整えるそうです。
戻す時は水から茹でて、沸騰したらそのまま冷まし、水にさらしてさらに戻す、らしいです。(切り干し大根よりよっぽど茎が太いので、戻すには時間が掛かるそうです)
★食べ方おすすめ
こちらへどうぞ↓
アザミ
若葉を食べています。
★採り方
鎌などを使って、根元から刈り取るそうです。トゲが鋭いので、持って折り取ろうとすると泣きます。(軍手をしていてもちょっと刺さります)
★世話
洗って茹でるだけ。アクはないので、ゆでて刻めばそのまま味噌汁にできます。
トゲは、ゆでるとプチプチ食感程度になって、我が家は美味しく食べています。
★食べ方おすすめ
そんなわけで味噌汁が美味しいです。
長野には、アザミを具にしたおやきを売っている店もあります。こちらは茎を使用しているそうです。
アサツキ
★採り方
こちらも鎌などの道具を持って行って、根元から根こそぎ採るそうです。
根元の玉状に膨らんだ部分が、一番おいしいのです。
★世話
洗って茹でるだけ。
ですが、洗うのが一苦労。くっつきあっているのをほぐしながら、根元の泥や、泥のこびりついた薄皮、根っことそのキワの硬い部分、なんぞを一本ずつ落とします。大量にあると爪が痛くなります。
茹でるのは、お湯を沸かしてサラッと1~2分です。あく抜きは不要です。
★食べ方おすすめ
ざく切りに刻んで、酢の物にするのが美味しいです。
今回母が作ってくれたのは黒酢和えでした。
フキ
ゴールデンウイーク時点で畑の脇とかに生えてたそうですが、くぐみほど早く逃げるもんじゃないので後回しになり、今回は食べず、です。
★世話
茹でる→皮をむく→一晩くらい水にさらす、だそうです。水にさらすことでアクが抜けます。(抜かないとたぶん苦い)
うど、ぜんまい、キノシタ
このへんは、くぐみの時期が終わってから出てくるそうです。ゼンマイは干したのを食べる機会がありますが、ウドとキノシタは、実家を出てからはなかなか食べる機会がありません。
今回の山では、ゼンマイだけ一株見かけました。(採りませんでした)
ウドとゼンマイは炒めて常備菜、キノシタは茹でて醤油をかけて、が美味しい記憶があります。
山で採れる緑のウドは、味が濃いです。栽培の白いやつは味が薄い、とばーちゃんが言ってました。
これら3種は、いずれもあく抜きしていたと思います。とくにゼンマイは手間がかかります。
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栽培じゃなくても、市販品は味が薄かったです。(これはこれで美味しいけど)
うわさばなし
山の達人の噂話
山の達人的な人は、どの辺に何が生えるとか、何でも覚えているそうです。また、向かいの山を見るだけで、あの木に花が咲いたから足下にはこれが出てる! とか把握するそうです。
そして、バランスよく若芽を残すだけでなく、胞子や種が出ていたらうまく撒くなどして、積極的に将来につながるような採り方をするそうです。聞いているだけでワクワクします。
(↓イメージ:くぐみ採りの場所から見た向かいの山)
民宿さんの噂話
春に山へ行ったら、お客さんに出す山菜を一年分採って、世話して保存するそうです。いい採り場所を決めており、末永く採れるように大事にしているようです。
くぐみは数人分ずつ揃えて冷凍するそうですし、ぜんまいだったらあく抜きして干すのでしょう。商売はスケールが違うなあと思いました。
(↓イメージ:私が採ったくぐみ)
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