怖い上に深い・・・! 「怖い絵」展を紹介します【東京10/7~12/17】

刺さりそうな展覧会を見つけたので、チラシを見ながら紹介させていただきます。

展覧会の目玉は、チラシの表紙になっているこの絵です。何も言われなくても、不安で異様な感じの絵ですが、どう怖いのか。
「怖い絵」展チラシ

行ってきた感想はこちら↓

【怖い絵展感想】考えすぎた。【上野会場12/17まで】
行ってきました。なんか色々と刺激された展覧会でした。 あと、無理に「恐怖」を探さなくてもいいんだろうな、とも思いました。 まあ、...
美術展の「攻め」の楽しみ方を、「怖い絵展」と関連本から学びました
以前のアルチンボルド展で、だいぶ悟りかけてはいたんですが、今回はっきり思ったので、書いておこうと思います。 絵は、見て楽しむだけじゃな...

絵の背景がゾワゾワ来る

展覧会目玉の絵、タイトルは「レディ・ジェーン・グレイの処刑」。チラシには、こう解説があります。

イングランド歴代女王といえば、メアリ1世、~~(中略)~~、エリザベス2世(現女王)の6人とされているが、正確にはもうひとりいる。メアリ1世より先に即位し、イングランド最初の女王を宣言したジェーン・グレイだ。ただし玉座に座ったのはわずか9日間。追われて半年後には処刑されてしまう。まだ16歳と4か月。花の盛りだった。

絵に描き込まれている色々についても書かれています。

”潔白を主張するかのような純白のドレスと、真新しい結婚指輪をはめ、首を置く台を手探りするジェーン。”
”首置き台へと優しく導く聖職者。”
”血を吸わせるための藁がまいてある。”
”取り乱した侍女が柱にすがって泣き崩れている。”

読んでるだけで、うわあってなります。(足元の藁や背後の侍女は、チラシ表紙では見切れちゃってますが、チラシ内面や公式サイトトップに載ってる全体像にはハッキリと)

訳も分からず怖いのではなく、歴史背景がしっかりあって、描かれた場面の前後にもストーリーがあります。それを知り想像を膨らませることで、より怖さが増すのです。
 

他の絵も、権力がらみの話や、人間の残虐性、あるいは見えない心の部分、そういうのでもって怖いです。出典やストーリーが、きちんとある。または広く知られた神話や悪魔などを題材にしている。それが絵の力になっています。
絵自体は、一見きれいだったり、どことなく不気味だったり、はっきりと怖かったり、色々です。

怖いもの見たさと、その先

個人的には、背景がしっかりあると、残虐な場面でもけっこう見れちゃいます。(動画は勘弁ですが、絵や静止画なら・・・)
そんなわけで、絵の背景を解き明かしてくれるこの展覧会は、怖い物見たさも込みで興味がわきます。

心臓には悪いけども、政治や宗教などの歴史的なものを映して怖い絵については、「人間はこうなれる」という戒めとして、目を逸らしてはいられない。って事も思います。今の世情と結びつけて見ることもできそうです。怖いの苦手な人は、無理することはないですけど。

胎教にもすごい悪そうなので、妊婦さんも避けた方がいいかもですね。
自分は妊娠したら行かないかもしれません。うん、悩ましい。

ジェーン・グレイについて詳しく

検索だけですが、ざっと調べてみました。
 

イングランドの幻の初代女王、ジェーン・グレイ。彼女は、才能にあふれ、心根の優しい少女だったそうです。
王侯貴族として必要な語学や教養、ダンスや乗馬など、わずか10歳ほどでかなりのレベルに達していたようです。女王の素質は十分であり、王位継承権もかなり高い位置にいたそうです。

「反逆罪」で処刑されたジェーンですが、実際には「権力に目がくらんだ周囲の大人に担がれて、王にされた」というのが正しいようです。

キリスト教の宗派でいうと、ジェーンはプロテスタント、当時の王位継承権1位だったメアリ(当時の国王の姉、ジェーンの後に即位)はカトリック。
当時のイングランドは、プロテスタントが優勢になることで色々な改革が進んできた頃で、メアリ(カトリック)が王になると元に戻ってしまう! という危機感もあったようです。
というか、ジェーン周辺の貴族たち(主に政略結婚の相手一族)がこれをタテマエにして、「プロテスタントであるジェーンを王にしよう(そんで自分は美味しいとこ持ってく)」等と策略してた、というのがより正しい感じです。

で、国王が崩御してのち、ジェーンが即位。しかし、ジェーンを持ち上げた貴族たちが計画性なさ過ぎたせいで、わずか9日で玉座を追われ、ロンドン塔に幽閉されます。次に即位したのは、前述のメアリ。

メアリは、ジェーンを担いだ貴族たちはすぐに処刑しましたが、ジェーンについては、母親の親友の血筋という事もあり、非情になり切れない思いがあったようです。(ジェーン本人が悪いわけじゃない、とも分かっていたのでしょう)
助命の条件として、カトリックへの改宗(つまり現女王メアリへの屈服)を提示しますが、ジェーンはそれを受け入れず、処刑されることとなりました。
 

もう、下記の参考記事ですごいまとまってるので、私がいまさら何を言えましょうか、という感じですが。

月並みですが、平和な世に生まれていれば、ジェーンはもっと別の人生があっただろうに・・・! と思えてなりません。
 

参考リンク
1・ジェイン・グレイの部屋|懐古堂本店
愛情をこめつつ、コンパクトにまとめられています。サラッと読みたい方向け。

2・ジェーン・グレイ ~最後に残ったもの~|よくわかりたい歴史
ジェーンの生い立ちや、家同士・宗派同士の関係など、教科書のように良くまとまっていて読みごたえがあります。それでいて読みやすいです。

3・断頭台に散った、9日間の若き女王 レディ・ジェーン・グレイ|Online journey
こちらは、細かい芝居や小話が挟まっていて、感情移入して読める系です。(どこまで史実に基づくのかあいまいな感じもしますが)(あとページ送りが少し邪魔っけです。でも読んじゃう)

話題のキャッチコピーの件(9/19追記)

東京展の開会が近付いてきたら、こちら(関東)でも、キャッチコピー「どうして。」の入ったチラシが配られています。知ってて見ると、すげー心が痛いんですけど。
怖い絵展チラシ(最新)

なにが「どうして」なのか。

「レディ・ジェーン・グレイの処刑」に関していえば、その意味は、上述「ジェーン・グレイについて詳しく」から察せられると思います。(うまく伝わらなかったらごめんなさい、参考リンクで補完お願いします)

全ての絵に問う、「どうして」

なぜ、こうなってしまったのか。
どうしようもなく首を差し出さねばならない状況に、なぜなってしまうのか。

ジェーン・グレイの境遇だけでなく、権力や時代って怖い、人間って怖い、って所まで考えてしまいます。
 

そこまで考えると、展覧会の他の絵についても、この言葉は波及します。
ちょっとチラシを見ただけでも、権力者が弱者を蹴落とす場面だとか、殺人の瞬間とか、色々ありますもの。

どうして、こうなってしまったのか。
真に恐ろしいのは何なのか・・・。
観賞するそれぞれの胸の内に、問い掛けているようにも思います。
 

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展覧会の元になった書籍

展覧会の監修者・中野京子さんによって、2007年から書かれてきた「怖い絵」シリーズが、展覧会の下敷きになっているそうです。
本だと、絵としての迫力は薄まっていそうで、展覧会に行くよりは心臓に優しいかもしれません。(説明文でがっつり補完されるでしょうけども)
とりあえず今のうちに読んでみようか、考え中です。
 

2007年刊行の、シリーズ発端となった本。文庫版、Kindle版もあります。

こちらは、今回の展覧会の目玉が表紙! 角川文庫です。

他にもシリーズ書籍があるので、興味ある方はリンク先から探してみてください。
会場周辺地域なら、書店でも目立つところに並びそうですね。

展覧会そのものの書籍

こんなのも出ています。A5×1.4cm厚とお手頃サイズです。
事前に買って読んで、それでもって展覧会へ行けば、何倍も堪能できそうです。

本書はその「怖い絵」展にやってくる名画の数々を中野京子が新たに解説した、「怖い絵」ファン必須のスペシャルブック。中野節が炸裂し、名画の恐怖が増幅します。
また「怖い絵」がある世界の美術館MAPや、「怖い絵」展が実現に至るまでの悲喜こもごもの裏話、そして大の「怖い絵」シリーズファンという宮部みゆきと中野京子の豪華対談も収録!
amazonの紹介ページより

音声ガイドのこと

展覧会の音声ガイドですが、文章は、監修者の中野京子さんが書き下ろすそうです。

音声は、女優の吉田羊さんが担当とのこと。私は「HERO」の馬場検事のイメージが強いです。
落ち着いた声が、展覧会のイメージと良く合いそうです!

公式Twitterには、音楽に気合が入っているとも書かれています。絵にインスピレーションを受けて作曲された曲が使われたりしてるとか。
解説パネルにもかなりの説明があるようですが、音声ガイドでより世界が膨らむ予感がします。

あと、音声ガイドの料金が、公式HPでパッと見つからないんで、音声ガイド制作会社のTwitterから引用します。

・音声ガイド
・音声ガイドの原稿(耳の不自由な方向け)
どちらも550円

引用元↓


 

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展覧会情報

公式サイトから引用・編集させていただきます。

【終了】兵庫県立美術館

■会期:2017年7月22日(土)~9月18日(月・祝) ※月曜休館(9月18日は開館)
■開館時間:午前10時~午後6時 (金・土曜日は夜間開館、午後8時まで)※入場は閉館の30分前まで

詳細 → 兵庫会場|「怖い絵」展

上野の森美術館

■会期:2017年10月7日(土)~12月17日(日)※会期中無休
■開館時間:午前10時~午後5時(※入場は閉館の30分前まで)
■好評につき、金・土・日・祝日は開館時間延長!(11/9更新)
東京展の開館時間について、好評につき、以下の通り延長しております。
金曜日:9:00~20:00
土曜日:9:00~20:00
日曜日:9:00~18:00
祝日 :9:00~20:00
※入場は閉館の30分前まで

■チケット料金

種別 当日券 前売・団体(20名以上)
一般 1,600円 1,400円
大学生・高校生 1,200円 1,000円
中学生・小学生 600円 500円
小学生未満 無料

※前売券は7月1日(土)~10月6日(金)まで販売いたします。
※障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料(要証明)。

■数量限定の特別前売り券→すべて販売終了(10/13記)
・特製しおり付き前売券 1,400円
展覧会オリジナルのしおり付!(非売品)
取り扱い:チケットぴあのみ

・「怖い絵」展の図録付き前売券 3,500円
図録(2,400円予定)と前売券(1,400円)がセットになって300円お得!
取り扱い:チケットぴあ・ローソン・イープラス

■チケット取り扱い
フジテレビダイレクト
チケットぴあ
ローソンチケット
イープラス
チケットポート
など

詳細 → 東京会場|「怖い絵」展
 

■交通案内
・JR上野駅 公園口より徒歩3分
・東京メトロ・京成電鉄 上野駅より徒歩5分

9/18追記:混雑状況参考

9/16(土)~9/18(月・祝)は3連休ですが、台風18号の影響で、9/16~17の神戸は大荒れ天気だったようです。
この前提で、本日9/18、兵庫会場最終日の状況。
兵庫県立美術館サイトの公式情報を見て、目が点になったので引用します↓

〈 9月18日(月・祝) 13時30分現在 〉の待ち時間状況のお知らせ
   展示室への入場   2時間30分以上
   ※最終入場時刻は 17:30 となっております。

東京会場へ行こうと考えている方、行くなら早めに、出来れば平日を狙いましょう!

人口参考:神戸市153万人、東京都区部946万人

11/9更新:公式ツイッターで混雑状況が流れています

上野会場の、チケット購入待ち時間・入場待ち時間・会場内の混雑具合が、毎日流れています。
「怖い絵」展 公式ツイッター

11/9時点で、待ち時間のおよその状況は以下のとおりです。

・平日(入場10:00~16:30、閉館17:00)
・金曜(9:00~19:30/20:00)
 朝一番で60分、昼間60~100分。16時を回ると、0~20分程度。

・土曜・祝日(入場9:00~19:30、閉館20:00)
・日曜日(入場9:00~17:30、閉館18:00)
 朝一番で1.5~2時間の日も。11/3(祝)は最大3.5時間待ち(11:15,12:00のツイート)。
 18時頃なら1時間程度、19時以降は~30分程度。

最終入館時刻を過ぎると、並んでいても入れない場合があるそうです。
 

少しさかのぼって見たところでは、平日は最大15~30分、休日は最大60分~100分の待ち時間が発生しているようです。だいたい14~16時くらいが、最も列が長い印象です。
また、最終入館時刻までに並んでいれば、時間が過ぎても入館させてもらえるようです。(10/16現在)

 

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