不妊治療の漢方薬(煎じ薬)その1~体を温める薬と、さじ加減による味の変化

私が飲んだことのある煎じ薬を語るシリーズです。記事公開現在、東京・銀座にある漢方診療所、玄和堂診療所に通っています。全国から患者さんが来ています。

この診療所にくる患者さんの不妊タイプは、半分以上が「冷え」で、「冷え」と「瘀血(おけつ)」を合わせれば4分の3を少し超えるそうです。
見立てによると、私は「冷え」と「瘀血」のコンボなので、まさに多数派! (両方持ってる人は少数ですが)←

私の飲んでいる処方の話が、不妊に悩む誰かの参考になれば嬉しいです。

※この記事は、旧ブログ2017.1.23の記事をもとに再構成しました。

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主に体を温める薬

当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)

血流を良くし、体を強く温める処方です。しもやけができやすいタイプの不妊症に効果的とか。
私の場合は、冬場に手足が冷える、お腹が張って痛むことがよくある、冷えると生理痛が強い、などを手掛かりに出されたようです。

合う患者さんの特徴(参考図書より):
虚弱体質の冷え性で、平素から手、足、腰が冷える。
冷えるとお腹が張って突っ張り、ガスがたまり、寒い日や雪の降る日には、下腹部から腰にかけて、ひきつるように痛む(疝気)。俗に「疝の病」という。
当帰芍薬散※を投与するタイプより、強い冷えがある。

※当帰芍薬散は次項で紹介します

味は、甘草(カンゾウ)が多く入っているため、結構甘く、濃厚な感じです。
そして、辛みのある生薬(細辛:サイシン)がガッツリ入っているので、舌がビリビリ痺れる感じがあります。このビリビリする成分が、体を温める本体だそうです。
 

最初は2016年3月に飲み始め、5月くらいになったら甘いのと濃ゆいのがツラくなってきました。気温と連動している気がします。
で、11月くらいになったら、濃ゆいのが恋しくなってきました。やっぱ連動してます。
面白かったのは、風呂上り直後のポカポカしている体で飲もうとしたら、『濃い! おいしくない!』と感じたこと。その瞬間の体調によっても、確かに合ったり合わなかったりしています。

甘草については、甘すぎるようなら調節可能と言われました。
飲み始めのシーズンは、甘くてもまあ平気でしたが、翌シーズンは甘ったるく感じたので調節してもらいました。
すると、甘みが減って飲みやすくなるとともに、ビリビリを目立って感じるようになりました。

このビリビリ感、寒い間は心地よく感じましたが、暖かくなってきたら段々ビリビリ自体を感じなくなって、味気なくなってしまいました。不思議なもんです。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

妊娠力を高めるといって有名なやつです。一般の産婦人科でも、よくエキス剤が処方されます。
私の通う診療所では、最終的に当帰芍薬散が合う腹証(おなかを診察した時の状態)へもっていくのが目標、と説明されます。

合う患者さんの特徴(参考図書より):
色白でやせ型、虚弱タイプの女性を、昔は「当芍美人(とうしゃくびじん)」と呼んだ。当帰芍薬散を投与するタイプは、まさに「当芍美人」といえる。
虚弱体質で疲れやすく、顔色がすぐれず、貧血気味。手足や腰が冷え(ただし、当帰四逆湯※を投与するタイプの方が、冷えは強い)、頭痛、頭冒(ずぼう:頭がボーッとして、帽子をかぶったように重い感じ)、めまい、動悸、生理痛、生理不順を訴え、腹部が軟弱。

※当帰四逆湯については前項を見てください

私は2016年5月末~9月、つまり夏場に飲んでいました。温める力が弱めの夏向きの薬として、当帰四逆湯から切り替えた形です。
当時は、あっさりしていて飲みやすいけど、物足りない感じもしました。最後の微調整の薬と言われると、癖が柔らかいのも納得します。
物足りなく感じるってことは、私はまだ、最終段階に至ってなかったのでしょう。

そもそも不妊で悩んでいるような人は、いきなり当帰芍薬散を出しても合わない、ってパターンが大半のようです。(玄和堂診療所の患者さんの場合)

当診療所では1処方のみで妊娠する例は19%程度であり、当帰芍薬散のみでの妊娠は4.2%にすぎません。
治療実績 – 玄和堂診療所より

冷えについて、薬以外の話

女性のからだは、そもそも冷えやすいそうです。男性と比べて筋肉量が少ないことも関係があるようです。

冷えていると、妊娠もしづらくなるので、漢方薬によって体を温め、徐々に自ら温まる体質に改善していきます。
また、薬に頼るだけでなく、冷たい食べ物や生ものを控える、腹巻をする、風呂に浸かる、といった冷やさない生活習慣も大切です。私は自宅では、冷えてると思ったら「巻けるひざ掛け」を巻いたりもします。
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場合によっては、筋トレをして筋肉を増やす、おなかまわりの脂肪が付きすぎていれば落とす、といった生活指導があり、これによっても冷えは改善するようです。(私も仕事をやめたとき、体重が増えないよう気をつけてだとか、筋トレするといいよ! など言われました)

欧米の方々が暑がりなのは、「骨格ががっしりしている分筋肉も多いから」だそうで、トレーニングをするのは確かに冷え対策に良さそうです。実際、スクワットとかやると、体がポカポカ温まりますよね。

脂肪については、「断熱材になるから、付いてる方が冷えなくて良いのでは?」と思うかもしれませんが、付きすぎていると冷たい腹巻のように働いて、かえって体を冷やすんだそうです。
 

ただ、生活習慣改善やトレーニングにしても限度がありますし、頑固な冷え症は、それだけでは厳しい面もあります。だから薬に後押ししてもらう、という気持ちで、漢方薬を飲んでいます。

処方のさじ加減と味の変化

先生が腹証をもとに調整してくれたり(補腎のために地黄を足すよとか、冷えてるからブシ追加とか)、私が甘ったるいと言って甘草を減らしてもらったり。
こういう微調整ができるのが、煎じ薬ならではで面白いです。

微調整が、味の変化としててきめんに分かったのは、甘草を減らした件くらいです。
地黄を増やした時は、胃にもたれるかもと言われましたが(味とは違いますが)、私は平気でした。
ブシはそもそも、味には影響しないそうです。

あんまり味が変わってしまうと、処方の効果自体が変わってしまう、という側面もあるようです。こんなに味が大事っていうのは、西洋薬にはない考えなので、それだけでも何だか面白いです。
 

その2はこちら↓

不妊治療の漢方薬(煎じ薬)その2~瘀血(おけつ)を取る薬と、服用期間の話
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参考図書(かかってる先生が書いた)

 
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