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漢方不妊治療はお金がかかるのか?~一般的な不妊治療と比べてみよう

※この記事は、不妊治療ブログへコピー・再編集しています。

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西洋医学的に、ある程度のことをして、どうもうまくいかないから次どうしよう・・・と考えたときに、漢方を考える人が多いんじゃないかと思います。(玄和堂診療所のデータからも、70%以上の患者さんが、あらかじめ西洋医学的なホルモン療法などの経験があります)

ところが漢方薬は、医療機関によっては保険がききません。どれくらい費用がかかるものか、気になる方も多いのではないでしょうか。

また、一般的な(西洋医学的な)不妊治療も、保険外のイメージが強いと思います。最初は多少保険がききますが、ステップアップするごとに、うなぎ上りに費用が膨らむようです。

そんなわけで、漢方と西洋医学的な不妊治療、どっちが安いとか高いとか比べてみましょう。

※保険外(自由診療)では、料金は医療機関によって様々なので、私の身近な病院を例として挙げます。

なんで漢方は保険外のことが多いのか、について個人的な解釈

保険が適用になる漢方薬もたくさんありますが、不妊治療の場合はクリーンヒットする処方が微妙に足りなくって、保険の範囲内だとやりにくいのか、と想像しています。

また、日本の保険診療の仕組みは、西洋治療をベースに、費用対効果に基づいて作られています。そのため、西洋式の検査や病名がないと請求できない、って所があります。
漢方は基本的に、お腹や脈を診て、証を診断して薬を出す、という流れなので、西洋医学的な検査や病名の出番はありません。保険診療の流れに乗らないんです。

そんな感じなので、漢方の名医=保険外、なんじゃないかな。と思っています。

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それぞれの費用(例)

漢方

★例:玄和堂診療所
完全自由診療です。(保険は扱っていません)

料金の例

★料金表

基本初診料
4,000円
基本再診料
700円

●お薬代(1日分)

煎じ薬 700円 ~ 1,000円
エキス剤 300円 ~ 600円
丸剤 300円 ~ 600円

 

★実際の支払い

4週間あたり30,000円~45,000円程度
処方によって値段が違いますし、旅行用をもらうかどうか、飲み残しによる日数調整があるかどうかでも変わるので、幅があります。
※旅行用:粉薬や丸剤(薬方によって違う)。煎じ薬と違って持ち運びが便利だけど、あくまで補助。

また、うちは夫婦そろって飲んでいるので、お値段は高めに出てます。
・私:煎じ薬+1日1包の丸剤
・主人:1日2~3包の丸剤

一般的な不妊治療(一般産婦人科)

★例:近所の総合病院

最初に妊娠→初期流産した時から始まって、タイミング療法、子宮筋腫の経過観察→腹腔鏡手術へのつなぎ、等と色々お世話になっている病院です。普通の産婦人科です。
ここで人工受精までは出来るとのことで、やったときの費用です。

料金の例

2016年分の医療費控除の控えからまとめます。(領収書別になってて、家計簿より見やすい)
排卵誘発薬(クロミッド)と黄体ホルモン(デュファストン)を使っています。

1周期(通院3回)あたり:20,000円程度
・人工受精当日(保険外):14,580円
・その他の検査や処方料(保険適用):約4,000円
・調剤薬局(保険適用):約1,500円

★全部10割負担だとすると:約33,000円
(保険適用の部分を、合計18,300円と計算)

薬をつかわなければ、もう少し安いでしょう。

一般的な不妊治療(専門クリニック)

★例:神奈川レディースクリニック
わりと近所で、全国的にも有名なようなので、例に挙げさせていただきます。

よくあるご質問を見ますと、費用に関しては次のような方針みたいです。

一般的な検査は保険が適用されます。
可能な限り保険診療させて頂いておりますが、不育症や高度生殖医療に関する検査については適用されない場合もございます。

料金の例

治療内容・費用 の各ページから引用します。(少し編集してます)

★人工受精

2周期で 約46,000円~51,000円(検査~AIH~黄体管理まで)

人工授精は、保険の適応ができないため自費診療となります(1回17,000円)。
1周期目に必要な検査を行い、2周期目に自然周期排卵で人工授精を行った場合のケースです。 (1周期目2回通院 2周期目4回通院)

1周期目(検査):20,000円~25,000円
・超音波エコー検査(1~2回)
・ホルモン検査、感染症スクリーニング検査
・精液検査

2周期目(実施):約24,000円~26,000円
・超音波エコー検査(2~3回)
・排卵診断薬検査
・人工授精+精液検査(AIH用)
・黄体管理

 

★体外受精

体外受精にかかる費用は、全て自費扱いとなるそうです。

追記:多くの自治体で、体外受精より先の治療は、助成金が出ます。
  ただし、回数、女性の年齢、所得金額など、自治体によって条件が少しずつ違います。
  詳しくは、お住まいの自治体の情報を調べてみてください。

ケース1(約2周期間):432,000円~462,000円

35歳 卵管性不妊にて体外受精 1回目  卵巣誘発法は、HMG+アンタゴニスト法
初期胚1個移植し、残った胚3個(胚盤胞)を凍結保存したケースです。

1周期目(検査):15,000円~20,000円
・ホルモン検査(LH.FSH.E2.PRL)
・術前検査 (感染症スクリーニング検査、血液型など)
・超音波エコー検査(1~2回)

2周期目(実施):432,000円~462,000円
・排卵誘発剤注射
・超音波エコー検査(5~6回)
・アンタゴニスト注射(4回)
・末梢血検査  hCG注射
・採卵費用(78,000円)+材料費(12,000円)+麻酔管理料(24,000円)
・3日間培養費(34,000円)+培養準備費(24,000円) +AHA(11,000円)+胚移植費(65,000円)+材料費(7,000円)+黄体管理費用(10,000円~15,000円)
・胚盤胞追加培養費(23,000円)+胚凍結費(36,000円)+胚凍結保管費 1年分(17,000円)++タイムラプス3日間(18,000円)+4〜7日まで(12,000円)

ケース2(約2周期間):495,000円~530,000円

40歳  男性因子不妊にて体外受精 1回目(顕微授精適応)
卵巣刺激法は、ショート法
8個採卵し顕微授精  初期胚1個移植し、残った胚4個(胚盤胞)を凍結保存したケースです。

1周期目(検査):25,000円~30,000円
・ホルモン検査(LH.FSH.E2.PRL)
・術前検査 (感染症スクリーニング検査、血液型など)
・超音波エコー検査(1~2回)
・点鼻薬処方(10,500円)

2周期目(実施):495,000円~530,000円
・排卵誘発剤注射(採卵2日前まで毎日)
・超音波エコー検査(5~6回) 
・末梢血検査  hCG注射
・採卵費用(78,000円)+材料費(12,000円)+麻酔管理料(24,000円)+顕微授精準備費(18,000円)+顕微授精 7個(28,000円)
・3日間培養費(34,000円)+培養準備費(24,000円) +AHA(11,000円)+胚移植費(65,000円)+材料費(7,000円)+黄体管理費用(10,000円~15,000円)
・胚盤胞追加培養費(23,000円)+胚凍結費(36,000円)+胚凍結保管費 1年分(17,000円)+タイムラプス3日間(18,000円)+4〜7日まで(12,000円)

まとめ

狭い範囲での例ですが、まとめるとこんな具合です。
いずれも、使う薬剤や通院日数、体外なら採卵できた数や顕微授精するかどうか、などで変わります。

  • 漢方1カ月あたり(夫婦で) 約3万円~4.5万円 /玄和堂診療所実例
  • 人工授精 1周期あたり 約2万円~3万円以上 (別途事前検査) /一般産婦人科実例、神奈川レディースクリニック例
  • 体外受精 1周期あたり 約43万円~50万円以上 (別途事前検査) /神奈川レディースクリニック例

人工授精と漢方薬の一カ月の費用が、どちらもひとけた前半万円で、いい勝負のように見えます。
また、漢方1年分の費用が、一回の体外で吹っ飛ぶ、という計算もできます。

そんな風に考えると、原因不明不妊の治療におけるステップアップ(ステップサイド?)には、金銭的にも漢方薬は良い選択肢ではないか、と思いました。
 

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