※この記事は、不妊治療ブログへコピー・再編集しています。
専用ブログで見る医療の世界には、「診断的治療」というのがあります。
この病気だろうと当たりを付けて、治療をしてみて、効けば「確かにこの病気だった」と確定する。というもの。
どういう時にやってみるかというと、こんな感じです。
・検査で確定するのが難しい
・症状が典型的(よくあるパターン)ではない
・やってみる治療に、大した副作用がない(もし間違ってても、害がごく少ない)
検査に時間・体の負担やお金が掛かるから治療してみた方が早いとか、そもそも確実に分かる検査法がない病気だとか、そんな感じです。
で、不妊治療の世界にも、そんな感じの病態があるそうで。
へぇっと思ったついでに書いてみます。
以下の二つです。
その1:卵管ピックアップ障害
卵巣と卵管の間には、すきまがあります。
卵子は普通、このすきまの辺りに放出されて、卵管へ入り、子宮へ運ばれます。
が、なにかの都合でうまく入らない・運ばれないのがピックアップ障害。
原因として、
・おなかの手術をした
・性器の感染症(クラミジアとか)にかかった
など分かりやすい物が存在する場合もありますが、分からない場合も多いとか。
感染症であれば、その治療をすれば治る可能性もあります。
また、卵管の通りが良いか悪いかは、卵管の造影検査で分かります。(場合によっては、検査の刺激で卵管が開いて妊娠率が上がる、ってパターンも)
でも、放出された卵子がうまく卵管に入っているかどうかは、なかなか検査のしようが無いようです。
で、卵子が子宮まで来れなければ、妊娠もしません。
しかも原因不明であれば、タイミング法や人工受精では歯が立たない、ということ。
なので、人工受精まででかすりもしなかった人が、体外に進んだ途端にコロッと妊娠したら、卵管ピックアップ障害だったのかな? と推測できる。
って感じです。
その2:受精障害
卵子に精子を振り掛けても受精しない、ってパターン。
主に、精子の数や運動能が足りない、といった男性側の原因で起きるようです。
女性側でも、卵子の表面を覆う膜が、固くて突破しにくい場合があるとか。
また、卵子の表面と精子の表面の、抗体か何かの相性が悪い場合もあるようです。
・・・だんだん素人の頭では、理解が限界に近づきますが。
この受精障害も、人工授精まででは分かりません。
体外受精のために採卵・採精し、シャーレの上で培養士さんが操作をして、初めて分かるものです。
で、受精障害の場合、顕微受精の適応になるとのこと。
精子を一匹つかまえて、顕微鏡下で卵子に注入するあれです。
お金が大変・・・!(汗)(←今のところ他人事)
まとめ
そんなわけで、不妊治療の初期段階では原因不明でも、ステップアップする中で分かることもある。という話でした。
体外をやってみると分かる。
特に原因らしい原因がない、あるいは以前妊娠したことがある、って場合でも、体の状態って変わるものです。
体調も精神面も整えて、それでもうまくいかなかったら、体外も視野に入れると良いのでしょう。
しかし、体外受精なんてのは、なにせ金が掛かります。
知り合いが「万札に羽根が生えて飛んでく」と言ってましたが、まさにそうなりそう。
薬ひとつ、処置ひとつが万単位~十万単位の世界です。
妊娠したらそれでゴールですが、うまく行かない場合にどうするか、よく考えてから取り掛かった方が良いのかもしれません。
お金だけでなく、気持ちも疲れてしまわないように。
(考えても分からないから進んでみる、というのも全然アリなので、押し付けるものではないですが)
あまり「治療!」と思いすぎて流されないよう、計画的に・主体的に行きたいところです。
医療には手助けをしてもらうだけ。
妊娠するのは自分、子供と向き合うのは自分たち家族、です。
参考
六本木レディースクリニック運営 不妊治療や体外受精の疑問に答えるwebマガジン|ウィルモ内の、以下のページ
ピックアップ障害があると体外受精をした方が良い?
毎月性交渉をしている夫婦でも体外受精って必要なの?
体外受精の顕微授精とは?
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