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【もふいけど辛かった】ピーターラビット映画感想【ネタバレ注意!】

ピーターラビットの映画、5月18日に日本公開!
気になりすぎて、初日に観に行ってしまいました。(旦那は行かないと言うので一人で)
ピーターラビット映画チラシ

ピーター映画半券

もふかった!
もふかったのだが・・・!

ちょっと入り込めなかった・・・!
 

注:めっちゃネタバレします。
そして、けっこうマイナスな文言を書き連ねます。
きつい言葉も使ってしまいました。
気分悪くなったらごめんなさい。(なにか察したら、そっ閉じしてくださいm(_ _)m)
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もふかった!!

先にプラスの感想を書きます。

動物たちが、本当にモフモフで可愛かった!
 

ダンスやアクション、冒険の場面自体は、すごく良かったのです。
うさぎの体つきがどうこうとかいう違和感を、全く意識させない楽しさでした。
これは嬉しい誤算でした。

鳥にカエルに狐、豚に鹿、それぞれ良い味が出てました。
ハリネズミの針も。

もふい~!!

以下、ゼロ付近~マイナスの感想です

ビジュアルが最高なだけに、話運びが残念でならなかったのです。

多少の下品さは、まだ良かった

しょっぱなから「ズボンはいてない」をネタにしたり、ピーターは「ヒーロー!」だといったり。
アメリカンかつ、ちょっと子供っぽいお下品さだねと思って、それは苦笑い程度でした。(その後の展開次第で、大した問題ではなくなる程度の物です)

途中でトーマスの急所()を狙う場面も複数回出てきましたね。

何がひどいと思ったか

一言でいうと、ピーターの人間性(うさぎ性?)が、どうにも受け入れがたかったのが、私は致命的だったと思います。
 

冒頭の、マクレガーさんの畑の場面です。
ちょっと冒険しに入って、おやつ程度をかじるだけならまだしも、組織的に暴れ回り、畑を根こそぎする勢いで作物を盗って、食べ切らない分は遊んじゃったりする。
原作と、余りにもやりようが違います。組織的かつ、悪質な方へ進化しちゃった感じ。

その畑、誰が丹精してそこまで実ってるのかと。
暴れ回ったあとの片付けとか、全然考えてないだろうと。
マクレガーさんを追い出したとして、畑はどうなる? 世話できるのか?
とか悶々しました。
 

その後もまあ、ほんとに色々やらかします。
他人が嫌がることを、ニヤニヤしながらやっちゃう。しかも繰り返し、繰り返し。
ビアが絶対的な味方でいてくれる、と分かった上で、見えてない所で暴れるズルさ。
そんなのを、冒頭からビシバシ感じてしまいました。
 

マクレガーさんもトーマスも、ピーターたち動物に対して、敵意を持って迫ってきます。
でも、それは自分の家や庭を守ろうとする行動であって、うさぎたちの縄張りを侵しているわけではありません。

ビアは「ここは元々動物達の土地」と言います。
その理屈なら、ピーターたちが我が物顔で暴れるのも、分かる気がしなくもないです。
でもそれならそれで、マクレガー家がうさぎの居場所を追いやって、家を建て畑を作る様子を、チラッとでもエピソードで見せてほしいです。

ビアのセリフだけではピンとこないため、ただ自分勝手に暴れ回ってる印象ばかり強くなります。
「か弱い動物vs怖い人間」ではなく、「動物多数で人間ひとりをフルボッコ」に見えてしまうんです。

追記:
色々強烈だったせいか、ピーターのお父さんがパイにされてしまったくだりが、頭からすっぽり抜けてました。(ちゃんと映像で描かれてたんですが)
ピーターにとってはトラウマレベルの出来事であろう一方、お父さんも畑に忍び込んだ結果つかまってしまったので、自業自得系でもあります。
これを受けてお母さんから、「畑に入っちゃいけません」と忠告を受けていたにもかかわらず、繰り返し忍び込む(というか乗り込む)ピーター・・・うーん、やっぱ気持ちが入り込めない。

対人間だけでなく、従兄弟のベンジャミンを、ピーター兄弟がことあるごとにいじるのも、チクチクもやもやしました。
(映画でのベンジャミンは、ぽっちゃり体型のロップイヤー。原案と違って、気は優しく慎重タイプ、茶色ジャケットがちょっと垢抜けない)
最後、ベンジャミンは仲直りしていましたが、私なら無理かもしれない・・・と思いました。映画ピーターの気質が、痛い目見たからって、根っこから変わるとは思えない。

ピーターたちが本気すぎる件

マクレガーさんとトーマスを、本気で殺そうとしてることにもギョッとしました。
マクレガーさんがたまたま、ピーターと対決中に心臓発作で倒れたのも、ピーターは手柄のように自慢してましたし。救急車を茶化すってどうなの。

自分達の巣穴を荒らされたのなら分かるんですが、相手の敷地を一方的に荒らしに行って、思うように行かないからケンカ()を仕掛ける。しかも、ものすごく本気で。
その思考回路に、全然感情移入できません。
人間側が、悪役ってほど悪い人とは思えないのもあり、どうしてもピーターたちがやりすぎに感じます。
 

トーマスから見れば、まさしく害獣駆除だから、ピーターたちを根絶やしにしようとするのは、ある意味当然。最初に仕掛けてきたのは向こうです。

対してピーター側も、急所()を狙ったり、電気柵をつなぎ直して感電させる、うさぎ罠(トゲの付いた鉄器具がバクン! と閉まるやつ)を仕掛けたり。
アレルギーと知ってるブラックベリーを、トーマスの口に向かって飛ばしたり。(トーマス、呼吸困難になりながらエピペンらしきのを使ってたけど、あれ伝わらないんじゃないかなあ・・・)
 

子供が観たら、「キライな奴にはこうしてやれば良い」と印象付いてしまわないか、心配になるほどでした。
あと、アレルギーをからかい対象に思ってしまわないかも。

追記:エピペンとは?
急性の強烈なアレルギー症状(アナフィラキシー)の、応急処置に使う自己注射薬。通常、映画のように太股に刺す。緊急時は服の上からでもOK。(極細針での皮下注射なので、刺す前に消毒しなくても大きな問題ないと分かってる)
追記:人の生死にかかわる場面が生々しすぎるように感じて、それも心臓に悪いポイントだったと思います。
例えば「ホームアローン」シリーズだと、下手すりゃ死ぬよって場面でも、ちゃんとコミカルに見えるんですよね。対してピーターラビットは、やたらハラハラします。何だろう、この差。

悪意は向けられた人しか分からない、という怖さ

話が進むにつれ、ピーターたちにやられまくるトーマスが、どんどんかわいそうになりました。彼も反撃はしますが、ビアには理解されないし、何よりトーマスに落ち度はないのです。(トーマスも、かなり変な人ではあるんですけどね。キレなければ普通にお付き合いはできそうです)
マクレガーさんも、相当やられています。

そんなピーターたちの暴れっぷりに対して、ビアは鈍感すぎる、なんて天然なんだ・・・! と、最初は思っていました。
 

でも、彼らの暴れっぷりは、うさぎ視点で誇張されてる面もきっと大きいです。
そのため、部外者には伝わりにくいのかもしれないな、と思えてきました。

ケンカを外から見ているビアには、ピーターたちの考えが分からないんじゃないだろうかと。
悪意は向けられている人しか分からない。
 

ピーターは映画の終盤で、自分の巣穴とビアの家を両方壊しちゃう、というトンデモをやらかします。
それを「うさぎがやった」と説明するトーマスを、ビアは頭から否定して非難します。

いじめっ子の外面がよ過ぎて、いじめられてる側の主張が全く受け入れられない感じ。
あるいは、痴漢冤罪にも似た感じ。
正直、すごく痛かったです。

その後「自分がやった」と身振りで告白するピーターには、よく言った、とは思いましたが・・・
「何を言っても、もう取り返せない」と、すごく感じてしまいました。

エンディングの無理やり感

こうして、ビア、トーマス、ピーターの関係はすっかり壊れてしまったように感じました。それこそ修復不可能なくらいに。

それが最後には、トーマスとピーターが協力してビアに謝り。
トーマスが売りに出した家を買い取った、と言って現地に来た夫婦を追い返し。
なんだかハッピーエンド? な展開に。
 

なんであそこまでひどい事になった相手を、こんなに早く許し合えるのか?
みんなの気持ちの変化についていけず、またモヤモヤしました。(私が終盤、集中できてなかっただけかもしれませんが・・・)

あと、追い返された夫婦も気の毒。下見ならまだともかく、もう契約を済ませたって言ってました。
それを、室内でパーティー(というか暴れるというか)して追い返すピーターたちと、「よくやった」と褒めるトーマス。・・・トーマスも最初は、勝手にパーティーされて怒り狂っていたんじゃないの?
 

そんなこんなで、だいぶ大変な映画でした。
最後まで変な動悸がしながら見てました。

・・・旦那、行かなくて正解。

こんな感想で、なんかすみません。

蛇足:こんな話なら良かった

エンディングを聴きながら、例えばこんな話運びなら感情移入できただろうに、と妄想してしまいました。

・うさぎ穴でパーティーとかしながら、楽しく暮らしているピーターたち
・マクレガーさんは体が不自由になり、今は姪っ子のビアが一緒に住んで、畑仕事の中心に
・ピーターたちは、ビアに畑の野菜を分けてもらったり、森で採ったベリーをあげたりして、仲良くやってる
・マクレガーさんとも、過去には色々あったけど、ビアが取り持ってくれて今はケンカしない(お互い好きでもないけど)
・そこへ持ち上がる、森の開発話
・不動産屋や建設業者が次々乗り込んでくる
・ビアの家と畑のピンチ! たたかえ、ピーター!

・・・なんちて。
 

最後までお付き合いありがとうございました、終わります。
 

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