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猛暑に雪山映画・小説はいかが?

明治時代、青森県の八甲田山(はっこうださん)で、旧日本軍が雪中行軍訓練を行い、199名もの遭難死に至った事例があったそうです。

この実話を元に描かれた小説が、「八甲田山死の彷徨(ほうこう)」
山岳小説の大家、新田次郎氏の名作です。

そして、これを映画化したのが「八甲田山」
北大路欣也さんと、高倉健さんが主演の映画です。170分の大作です。
 

小説は何年か前に読んでおり、映画は今回借りて見たんですが、雪山の場面は、どちらもすさまじいの一言でした。
八甲田山死の彷徨 本とDVD

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雪山の迫力がすごい

まずは映画の感想を簡単に。

八甲田山は、冬は人を寄せ付けない、大変厳しい山です。
雪中行軍の本番は、映画中盤から始まりますが、雪山の迫力が本当に半端ないです。
特に遭難した部隊の描写が迫真です。

吹雪いて前も見えなくて、雪と氷まみれで、もはや最悪の状況、と思ったら更に悪くなる。
手も足も感覚が無くなり、誤って降りちゃった斜面を上ろうとして踏ん張り切れず、人が雪崩のように落ちていくのです。
服も顔も凍り付くとか、寒さのあまり気が狂うとか、想像を絶します。

雪山を行く場面はかなり長いので、これを見てるだけでも寒くなれます。
こんなすごい絵、どうやって撮ったの・・・

なぜ雪中行軍なのかと、行軍の概要

時は日露戦争前夜。
雪中行軍が計画された理由のひとつは、ロシアに鉄道網を破壊された場合に備え、冬でも山越えで移動できる方法を確立すべし、との事。
もう一つは、極寒のロシアでの戦闘を見据え、寒さ対策の装備を研究する事、でした。

この雪中行軍に挑むのは、弘前31連隊と、青森5連隊。
両隊は、それぞれ弘前/青森から出発し、八甲田山を縦断するルートを取ること、八甲田山で会う(すれ違う)こと、が課せられます。

弘前31連隊の徳島大尉(高倉健)が、生き残る(成功する)方。
青森5連隊の神田大尉(北大路欣也)が遭難する方、です。

人間模様でも背筋が冷える

映画序盤から徐々に現れるのが、それぞれの部隊の指揮系統や、雪中行軍への姿勢の違いが、非常に対照的なことです。
 

徳島大尉は、自分が指揮官だと上官にキッパリ言い、過度な口出しをさせません。
上官に計画を説明する時の、話の持って行き方も周到です。

また、少数精鋭・調査目的を貫き、的確で周到な準備をします。
下調べに基づき、回り道ながら無理の少ないルートを組みます。
 

一方、神田大尉は、そもそも雪山経験が少ないというハンデがありました。
徳島大尉にツボを聞きに行ったくらいで。

それでも危機感を持って頑張るのですが、上官(山田少佐)に強く逆らえず、準備に口出しされて、なかなか思うように行きません。
上官も冬山に詳しいわけではないのに、思い付きや見栄で言ってるような口出しをするんです。

その上、事前演習が好転に恵まれたのが仇となり、隊全体が、雪山を舐めてかかる心理になっていきました。
最終的な準備もギリギリになってしまいます。

行軍本番には、上官の山田少佐も、部下を連れて付いて来てしまいます。
最初は「神田大尉が総指揮官」と言っていたのに、途中から(というか割と最初から)口を出して、結果的に部隊を死地に追い込んでしまいました。
 

こうした「リーダーシップの違い」「頭の痛い上司」「無知怖い」みたいなのもひしひしと迫ってきて、そういう点でも背筋が寒かったです。

小説の描写も迫り来るものがある

小説の方は、説明が丁寧なので、雪中行軍の背景や、部隊内の人間関係など、より分かりやすいです。
また、二人の指揮官の、リーダーとしてのやり方の違いも良く見えます。

あと、徳島大尉は、映画の方が人間味があると感じました。特に案内人(地元の民間人)に対して。
小説版は、軍人らしい冷徹さというか、民間人に甘い顔をできない、頭を下げられない、との姿勢が前面に出ていたと思います。
  

雪山遭難のシーンは、文字で読んでもすさまじいです。
ぜひ実際に読んでみてください。
巻末の解説に、一番ひどい場面のひとつが引用されてるので、ネタバレしたくない方は気をつけて!
 
 

というわけで「八甲田山」、重いテーマではありますが、確実に寒くなれる作品です。
小説と映画、お好きな方をどうぞ。

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