※この記事は、不妊治療ブログへコピー・再編集しています。
専用ブログで見るふだん煎じる時には、土瓶にパッとあけて終わりですが、たまにはよく見てみると愛着がわくかもしれません。
そんなわけで、愛着のあまり暇人な行為をしたので公開します。
漢方不妊治療を受けている方、同じの飲んでたりしませんか? 漢方の勉強をされてる方にも、良かったら参考になればと思います。
ちなみに何でこの処方かというと、よし撮ろう! と思った日に煎じる予定だったのがこれだったからです。そんだけです。
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血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)の構成生薬
お血を取り、体を温める処方です。
参考書1によると、11種類で出来ています。
- 地黄(ジオウ)
- 桃仁(トウニン)
- 当帰(トウキ)
- 紅花(コウカ)
- 川芎(センキュウ)
- 赤芍(セキシャク)
- 牛膝(ゴシツ)
- 柴胡(サイコ)
- 枳殻(キコク)
- 桔梗(キキョウ)
- 甘草(カンゾウ)
1回分の包みを広げて、種類別により分けてみると、確かに11種類あるようです。
分かりやすいものから、順番に見ていきましょう。
紅花(コウカ)
ベニバナそのものです。簡単!
駆瘀血作用、鎮痛作用。
桃仁(トウニン)
桃の種を割ると出てくる核の部分。砕いてありますが、種の感じがしますので、これも分かりやすいですね。
駆瘀血作用、潤滑・通便作用。
地黄(ジオウ)
アカヤジオウまたはカイケイジオウという植物の、根。真っ黒な生薬です。(赤いのは紅花がくっついてるだけです)
酒などで蒸した熟地黄:微温、血。補血・補腎作用。
姿からも処方目的からも、熟地黄です。
甘草(カンゾウ)
早くも分かりにくくなってまいりました。かじってみて甘かったので、これが甘草。
黄色っぽくて、ボロボロした感じの断面です。マメ科植物の根っこです。
鎮静、鎮痙、鎮痛、去痰、鎮咳、動悸抑制。
枳殻(キコク)
カタマリ系の生薬を二種類いきます。
枳殻は、未成熟なミカンを干したもの。表面に黒っぽいのがひっついてますが、これがミカンの皮のようです。
健胃、鎮痛、排膿、止瀉。
川芎(センキュウ)
枳殻より透明感があります。センキュウというセリ科植物の根茎を湯通ししたもので、黒っぽい皮部分が混じることもあります。
造血、温補、強壮、鎮静、鎮痛作用。
牛膝(ゴシツ)
少し透明感のある白です。芯が見えるのも特徴かと。
駆瘀血、利尿、強精作用。
桔梗(キキョウ)
この辺からマジで難しくなってきました。参考サイト(3)の写真に加え、Google画像検索も使っちゃいます。(敗北)
断面が二重になっている様子と、表面のひときわシワシワした感じ、透明感のない白。うん、たぶん。
名前の通り、桔梗の根っこです。
排膿、去痰作用。
当帰(トウキ)
これも表面がシワっシワしてますが、桔梗よりは茶色いんですよね。刻む前はひげ根のようなモジャモジャした姿です。
特有の芳香があるらしいので、嗅ぐかかじれば分かるかも?
補血、安胎(保温)、便秘改善作用。
赤芍(セキシャク)
あとふたつ! こっちか?
保険適用の漢方薬に使われる「芍薬」は一種類ですが、本当は漢方医学的には(煎じの材料としても)2種類あるんだそうです。
セキシャク(赤)と、ビャクシャク(白)。
一般的には、セキシャクは「皮を付けたまま」蒸して乾燥した芍薬の根っこ、を指すそうです。(ビャクシャクは皮をむき、そのまま又は湯通し→乾燥)
うん、皮は付いてますね。
「赤芍」は清熱涼血薬、「白芍」は補血薬
参考サイト4より
柴胡(サイコ)
最後、消去法で残った的な。わりと表面がスベスベして、細いです。
柴胡も刻む前は、当帰ほどではないけどモジャっとした姿なので、たまたま細い部分だったのだと信じておきます。
解熱、解うつ、昇陽作用。
・・・けっこう難しかった!
何か間違ってたらごめんなさい。
以上、お血を取り体を温める処方・血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)の構成生薬でした。
参考図書・サイト
1(かかってる先生が書いた):
2:中野哲・森博美 編『実践 漢方ガイド―日常診療に活かすエキス製剤の使い方』第1版(医学書院、2010年)
3:漢方薬・生薬大辞典 – 漢方薬のきぐすり.com
4:白い芍薬と赤い芍薬 – 漢方薬を始めよう リンク切れ
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