ヒアリに刺されないために気を付ける事と、刺された時の対処法~正しく恐れるために、相手を知る

ヒアリに対して一般人としてはどーするか? 何を知っておくべきか? と調べたやつ、その2です。

今回は刺されないための話と、刺された時の話です。

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刺されないための対策

これ、身近に来ちゃったらの話で、今から神経質になる事ではないと思いますが、見つけたんで軽く書きます。(資料3より)

・肌を露出しない

・虫を手で触らない

・蟻塚だと思ったら、わざとつついたり刺激したりしない

ヒアリが出たとなったら、子供を裸足で外遊びさせられないってことですね。窮屈ではありますが、駆除が終わるまでの辛抱でしょうか。

3つ目の「蟻塚」については、完全に定着しちゃったら、の話です。
ただ、成長途中のアリ塚は目立たないようで、「アリが体に上がってきて初めて気づく」ということもあるそうです。なので、なかなか完全に防御は出来ない感じですが(土の上を歩かなければ良いのでしょうけど、そうもいかない)、意識しているだけでも違うのかなと。

ヒアリに刺されたときの症状:何がどれくらいの人に起きるか?

現状では、港の近くとかで、不慮の事故的に刺された! というパターンが大半かと思います。

刺されたからといって、全ての人に命にかかわるような症状が出るわけでは、決してありません。(報道では、死亡例があるってことが強調されがちですが)

まずは冷静になることが大事です。
資料(1)~(3)を元にまとめます。

アナフィラキシー:50人に1人程度

危険な症状を先に書いちゃいますね。
刺されてから15~20分くらいで、急激にこんな状態になってきたら、病院に駆け込みなさい! というか救急車! ってやつです。
症状によっては死亡もありうるアナフィラキシーですが(食物アレルギーの報道で時々ありますね)、治療が早ければ、普通助かります。
 

まずは症状。次のうち、じんましんの他に一つ以上出てきたら、迷わず救急搬送、とのことです。

刺されてから15~20分くらいで・・・

★全身にじんましん
  +
☆舌やのどが腫れる
☆息苦しい、ゼーゼーする(呼吸困難)
☆めまい・失神(血圧低下)
☆強い腹痛、下痢
☆嘔吐

 →救急車!

万一症状が強く出てきてしまうと、自分で病院に行くのは難しい場合があります。
まずは蟻に噛まれた! といって騒いで、周りの人に認識してもらうこと。
傷を洗うのひとつにしても、動揺してる本人を周りがフォロー出来れば心強いと思います。

刺されてから一時間何もなければ、アナフィラキシーは起きなかったという事で、ホッとしてOKです。

刺された部分の症状:みんなが通る道

こちらは、起きるもんだと思って付き合う症状です。この程度で済めば良かった、と思うべし。
まずは洗って、冷やしときましょう。

・刺された瞬間から激しい痛みがある(やけどのような強い痛みであることから、火蟻、と名が付いたそう)

・徐々に腫れて、小さい膿疱ができる
膿を持つけど感染してるわけじゃないそうです。破らないよう気を付けて様子を見ましょう。(破るとそこから細菌が入る恐れあり)

・かゆみが続く
痛みはその日のうちに引きますが、かゆみは1週間程度、場合によりそれ以上続くこともあるそうです。

症状が軽ければ、市販の虫刺されの薬を塗って様子を見ればよいそうです。蚊に食われた時に近い感覚になってきますかね。

ちょっと症状が強い場合:2割~半数くらい?

(1)には次の症状も紹介されています。いずれも頻度は良く分かりませんが、アナフィラキシーよりは多いんだろうなと。

・径10cm以上の腫れや水膨れが、24時間以上継続する場合も

・全身にかゆみや蕁麻疹が出る場合も

資料(2)には、『17~56%の人に大きな紅斑ができ、24~72時間持続する』とあります。

症状が強ければ、皮膚科などで診てもらいましょう。腫れがひどればステロイド軟膏、傷になっていて感染の恐れがあれば抗生物質、など必要な治療を受けられます。

対処法の覚え方:「ひありおくやみ」

(1)の勝田先生が提唱されている、ヒアリ対応の合言葉です。(3)から引用しつつ、(3)および(1)の内容から補足。

「ひ」…「“ひ”やす」まず刺された局所を冷やして炎症を少し抑える。

「あ」…「“あ”らう」局所についてる毒を洗い流す。
※吸い出すことができればなお良い。

「り」…「“り”スクの認識」刺された危険をちゃんと理解する。

「おく」…「“おく”すり」抗ヒスタミン薬などを適切に使う。
※普通の虫刺されの薬でOK。

「や」…「“や”すむ」動くと毒が回るので観察するために休んでください。
※20~30分間の安静が必要。

「み」…「“み”まもる」周囲の人はしっかり見守ってほしい。
※万一、アナフィラキシーショックの症状が出てきたら、ただちに救急搬送する。

医学雑誌には「吸い出せればなお良い」とありますが、吸える器具があれば、という意味かと思います。口で吸うのは感染対策上よろしくないと思います。
絞り出す、なら素人でも出来そうです。

アナフィラキシーについて、もう少し

興味あればどうぞ。(1)(2)を元にまとめています。
 

アナフィラキシーとは(ざっくり)(ヒアリ視点)

アナフィラキシーとは、食べ物や花粉のアレルギーだったり、蜂に2回目以降刺された時などに起きる事がある、クッソ激しいアレルギー症状です。(アレルギー以外でも起きることがあるけど割愛)
ヒアリの場合も、症状としては一緒です。体へ入ってきたものに対して、体が過剰に反応して起きるものです。

スズメバチだと、二回目以降に刺された時が危ないといいますが、ヒアリは一回目でも起きることがあります。
また、ヒアリの毒は4種類のアレルゲンがあり、それらの一部がスズメバチやアカカミアリなど、他の昆虫と共通しています。つまり、ヒアリに刺されたのは初めてでも、以前にスズメバチに刺されたことがあれば、スズメバチに二回目に刺されたのと同じ効果が出てしまうということです。

どんな治療をするの?

原因が何であれ、アナフィラキシーであれば治療は一緒で、まずはノルアドレナリンの筋肉内注射をします。(症状が比較的軽ければ、行わないことも)
リスクの高い患者さんに処方されることがある「エピペン」は、この注射をするための物です。

あとは症状に応じて、点滴をしたり、別の薬を使ったりします。
このへんは医師が見立ててやってくれるので、アナフィラキシーの経験もない一般人なら、大船に乗ってれば良いです。こんな治療だって知ってると心穏やかかも、という程度ですね。

発症率について、まとまらない話

ヒアリによるナフィラキシーの発症率は、2~7%とのこと。100人刺されたら2~7人くらい発症する計算です。(1)の文献欄より、1996年と2015年に海外で論文が出ています。
ただ1996年の論文については、(2)の資料で「信頼できる数値はない」とした上で示されてるので、結局突き詰めた研究例はないのが現状みたいです。(2015年の論文は、(2)では触れられてない)
いずれも、なにか制限があったりする中での報告なのだろうと思います。(自分のところを受診した患者さんだけまとめた、とか。論文よんでないので勝手な想像です)

まとめ

ヒアリ、蚊に食われるよりも症状が激しく、蜂に刺されるよりも身近になり得る、という印象を持ちました。
アメリカのヒアリが定着している地域では、一年で住民の三割から半分が刺されるとか。蚊くらいか、もう少し少ないくらいかな、という印象です。
 

蚊や蜂はブンブン飛ぶので、私たちも戦闘態勢になれますし、逃げることもできます。対してヒアリは小さいので、気付かないうちに刺されてしまいそうなのが嫌なところです。知らずに巣を踏んづけてしまったら、怒って総攻撃してくるらしいですし。(日本でそんな状況にはならないと信じたい)
 

刺されたと思ったら、まず周囲に知らせることと、刺された部分の手当てをすること。数分~数十分で、急激に気分が悪くなったり息苦しくなったりするようなら、明らかにヤバいので病院へ駆け込むこと。
これだけでも知っておくと、ずいぶん気が楽になります。

刺されて一時間何も起きなければ、アナフィラキシーについては、まず大丈夫です。
 

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参考情報
1:勝田吉彰「ヒアリの上陸に備えて医師が知っておきたい基礎知識」日本医事新報2017.7.29号(No.4866)P18-20
2:(医療者向)救急科勉強会より「正しく恐れるヒアリ学」|名古屋掖済会病院
3:「ヒアリ」の疑問を専門家が答える…覚えておきたい合言葉は“ひありおくやみ” |ホウドウキョク

サムネイル写真:
ヒアリ(Solenopsis invicta)の国内初確認について|環境省より

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