世の中いろいろなエクセル教本がありますが、たいてい分厚いし、解説くさくてつまらないという先入観もあって、「ぐぐれば誰か書いてるからいいよね」という考えで今まで来ました。仕事上で必要に迫られることがなかった、ってこともありますが。
そんな考えなのに、立ち読みで一目ぼれして買ったのが、これです。「快速エクセル」
小説仕立てのエクセル教科書で、さらっと読めます。どちらかというと初心者向け、それも新社会人に向けて書かれていますが、独学でかじってる人のおさらいにもバッチリだと思います。
中がフルカラーじゃなくて、黒×緑の2色刷りなのも、見やすくて素敵です。
小説について
ガテン系から転職して、エクセルは全く分からない主人公。彼がデータ入力から始めて、自分でプレゼン資料を作り上げて企画を通すまでになる、成長物語です。
出版元の重版決定の記事から、目次を引用させていただきます。
◆目次
プロローグ
はじめに
[CHAPTER 1] 入社1日目 データ入力で基礎力が分かる
[CHAPTER 2] ノー残業DAY 仕事が速い人はマウスを使わない
[CHAPTER 3] 本日は初営業 仕事上手の好感度テクニック
[CHAPTER 4] すごい新人登場 関数は最強の武器である
[CHAPTER 5] 企画の改善 相手を納得させるデータの力
[CHAPTER 6] プレゼン当日 資料は見た目が9割と心得よ
エピローグ
おわりに
索引
新刊『快速エクセル』早くも重版決定ッッ! – インプレスブックス
ストーリーは単純ですが、小ネタや情景描写が立っていて、普通に面白いです。
デキる先輩キャラの数々が爽快で、頭のいい人ってこんな変なキャラいるよね、と笑えたりもします。
あと、要領悪いけど憎めないおじさんもあるあるだよね、とか。
話の筋で頭に入るので、「こういう時どうすんだっけ」と逆引きもしやすそうです。
機能説明の部分
半角・全角変換のラクなやり方から、オートフィル(セルの端っこをつまんで引っ張ると、続き番号や曜日が自動で入るやつ)、絶対参照と相対参照、IF関数にROUND関数、有名な(らしい)VLOOKUP関数、グラフの選び方・整え方、配布資料の見やすい印刷法に至るまで、一通り詰め込まれています。
ショートカットキーも、こういうときにはこれ! とポイントごとに出てきます。
私は自宅で、家計簿・住所録・自サイトのwebページ一覧を作る程度ですが、今までどれほどもっさりした操作をしていたか、目からうろこがポロポロ落ちました。
関数にしろ、ショートカットキーにしろ、実際に使う場面で見せてくれるので、イメージしやすいです。
感心したのが、早い段階で「パソコンに飲み物をこぼした時」と緊急時の対処を書いていること。他にも、ビジネスメールのマナーなど、エクセルの外側の話をちょいちょい入れてきます。
エクセル初心者というか、新社会人・フレッシュマンに対して、本当に寄り添っているなと感じました。
巻末に索引が付いているので、辞書代わりにもなります。目次から逆引き(単語や機能名ではなく、やりたい事柄で探す)もできます。
教本って、どこに何がどういう風に書いてあるか分かってないと、いざって時に使いにくいことがありますよね。それがこの本だと、小説部分をすらすら読んで把握できているので、使いやすいです。
まとめ(これは良い!)
エクセルのテクニックが余すところなく詰め込まれていて、小説部分も無理がない上にキャラ立ってるし、すごく力作です。これが1,300円(+税)は安い、と思いました。
本の大きさも小説並みで持ちやすいですよ。(A5より一回り小さいサイズ、ソフトカバー)
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