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なぜコタツで眠くなり、足が冷たいと眠れないのか~人間の体温と、快適な睡眠の関係

コタツに長い時間入っていたり、入浴していると眠くなるが、理由は何か? また、このような睡眠は、質としてどうなのか?

そんな素朴な疑問に、数字を交えてスッキリ答えている記事を見つけました。
読んでいて自分の身の回りの色々な事とつながって、「なるほど!」が止まらない感じになりまして、こんな記事を書きたくなりました。
 

参考 質疑応答:生理学「温かい布団に入っていると眠くなるのはなぜか?」(回答者 宮崎総一郎)日本医事新報2018.2.17号(No.4895)P58-59

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手足が温かいと眠くなるのはなぜか

日経ヘルス2010年12月号の「睡眠アンケート」によると、布団に入っても手足が冷たくて寝つきが悪いという人が、5人に1人の割合でいるそうです。
足が冷たくて眠れない、というのは私もすごく覚えがあります。
逆に手足が温かいと、気持ちよく寝付けます。

で、それはなぜか。深部体温が関係しているそうです。
具体的な数字と理由を、文ごと引用します。

ヒトの深部体温(脳や内臓、筋肉の温度)は、夕方から夜にかけて最も高く、眠る頃になると急速に低下し、約0.4℃下がると深いノンレム睡眠に入っていくことが生理実験で確かめられています。
~~
手足の温度は通常33.5℃前後ですが、入眠期において副交感神経活動が優位になると、手足の温度は約1.5℃上昇します。
手足が暖かくなると、表面血管が拡張して血流が増加し、手足からの熱放散が起こります。
~~
手足からの熱放散の結果、深部体温(脳温)が下がり、ヒトは眠りにつくのです。

温まった手足から熱が逃げることで、体内の温度が、寝付くのにちょうど良い具合に下がる、と。

暖かい布団で手足がポカポカしてスーッと眠りに落ちる、あのポカポカした感じは、体温が上がっているのではなく、むしろ適度に冷えていく過程の出来事だったのです。
コタツやぬるめのお風呂で、気持ち良く眠くなるのも同じ仕組みなんですね。(リラックス効果もあるのだろうけど)

逆に手足が冷えていると、この仕組みがうまく働かず、寝付けない、って事みたいです。
知らなかったー。

補足:
深部体温の中でも、特に脳の温度が下がると眠くなるそうです。(上記の引用の末尾にも「脳温」とあります)

2019/2/1放送 NHK「チコちゃんに叱られる」を見て追記

コタツで寝るのはどうなのかという話

コタツで寝ると、寝付く時は気持ちいいですが、起きた時には妙な疲労感があります。
それも上記の仕組みから説明が付きます。

コタツで足が温まると、最初の手足の血管が広がる所はスムーズにいきます。
でも、その後熱が逃げていくのは、コタツの熱で邪魔されます。
すると体温が良い所まで下がらず、眠りが浅くなったり、途中で目が覚めたりします。
睡眠の質としては良くないです。
 

電気毛布の温度が高すぎる状態で寝ても、ちょっとぐったりすることがありますが、同じことだなと思いました。
昔から親に、電気毛布は夕方から付けて温めておいて、寝るときは切るんだよ、と言われたものですが、確かに一理あったのです。
(あんまり寒い日は、最低目盛りくらいで付けたまま寝ますが)
 

というわけで、ひたすら温めてくれる道具は、使い方にちょっと注意、です。
参考にしている記事では、快眠のためには湯たんぽをおすすめしています。

(温めすぎて睡眠の質が悪くなることへの)対処としては湯たんぽが最適です。布団や足を温めた後はゆっくりと温度が低下するので、深部体温の低下を邪魔しないからです。

連想した事柄

体温つながりでいくつか連想したので、ちょっと書きます。
 

まず、私はお酒を飲むと無性に眠くなります。
アルコールが直接、覚醒度を下げているんだとばかり思っていましたが、血管拡張による体温低下も一因かもしれないなと思いました。
 

また基礎体温を測っている身としては、「眠りにつくとき0.4℃下がる」っていうのが、高温期と低温期くらいの温度差で、身近な感じがします。
人間の通常の体温の変動って、大体これくらいなんだろうか、って気がしてきます。(運動してる最中などは除く)

逆に、これ以上大きく変動すると、体にはだんだん負担になり、「微熱」「発熱」といわれる温度になってきます。
一般的(というか医学的)には、37℃~38℃が微熱、38℃以上が発熱。
ですが、普段の体温は人によって違うので、普段からの変動幅で考えるのが、異変を見つける方法として適しているようです。

自分の平均的な平熱を知っておき、「平熱より1度高いと体に異変があるのかも」と考え、休養するようにしましょう。
臨床内科専門医に聞く。体温の疑問―「微熱って何度から!?」「体温を上げる方法とは?」|マイナビウーマンより

私の場合、低温期の一番低い数字と、高温期の一番高い数字を比べても、0.6~0.7℃くらいの差なので、「1℃高ければ異常を疑え」というのは、理にかなっている気がしました。

低体温症に関しても、1℃以上下がると、けっこう調子悪くなりそうな予感はします。(医学的には直腸温35℃以下が低体温症)

まとめ

最後話がズレましたが。
 

快眠のためには、寝るときに、ほんのり体温が下がることが大切です。

寝る前には、手足が適度に温まっていると良い。
寝付いたら、それ以上温めないのが良い。
なので、コタツじゃなくて湯たんぽがおすすめ。電気毛布は寝るときに切るなど使い方に気をつけて。

そんな感じの話でした。

体に関する雑学・雑談
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