※この記事は、不妊治療ブログへコピー・再編集しています。
専用ブログで見る私が飲んだことのある煎じ薬を語るシリーズ、今回は漢方でよく聞く? おけつ関係です。
瘀血(おけつ)とは、「血の巡りが悪くて溜まっている、古い血液」のイメージです。
女性のからだは、生理周期によって「血」がダイナミックに動いています。また、高温期や妊娠中には「血」を溜める方へ体が働きます。そういうあれこれのために、女性と瘀血は、切っても切れない関係があるようです。
実際、子宮・卵巣は瘀血の影響を受けやすく、排卵障害や生理不順、人によっては子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症の原因にもなるそうです。逆に、生理不順で血をうまく出せないことが、瘀血が溜まる原因になることもあります。(参考図書より)
人のからだには、気・血・水の流れがあって、この流れが澱んだり足りなかったり多すぎたりすると、不具合や病気として出てくる・・・という考え方が、漢方治療の大きな柱です。薬や養生で、これらの流れを整えていきます。
「血」については、一般的な赤い血のイメージで大丈夫です。(詳しくは、血液や循環器、内分泌系を示すそうです)
※この記事は、旧ブログ2017.1.23の記事をもとに再構成しました。
主に「瘀血」を取る薬
折衝飲(せっしょういん)
瘀血(おけつ)があり、おなかがガスっぽく張って痛む場合に。
保険で出せるエキス剤にはない処方ですが、漢方不妊治療では、合う患者さんがけっこういるそうです。
合う患者さんの特徴(参考図書より):
中肉中背で、ガスが多く、お腹が張りやすい。腹痛、腰痛、下腹部から腰にかけてひきつるように痛む疝痛、生理痛、生理不順などを訴える。夫婦関係の際、性交痛や腹痛を訴える場合も。
処方する折衝飲は、当帰芍薬散※と桂枝茯苓丸料※を合わせたものに、気滞の滞りを解消する生薬を加えた薬方である。気をめぐらし、血行をよくして、腰を温め、上記の症状を解消する。※当帰芍薬散:体を温め、整える。詳しくはその1の記事へ。
※桂枝茯苓丸料:「瘀血」を取る薬として代表的な処方。体力のあるタイプ向き。
私は2016年3月から、当帰四逆湯(その1参照)と1日交互で飲み始めました。冷えるとガスが張りやすい、生理痛、性交痛(おなかが痛苦しい感じ)、の辺りを手掛かりに選んでくれたようです。
煎じた薬液は黄色っぽく、形容が難しい匂いがします。木の皮のような、植物のような土のような・・・ 私は悪くない匂いだと思いましたが、合わない人は臭く感じることでしょう。
最初おそるおそる飲んだ覚えがありますが、意外と飲める、なんかイイかも、という感想でした。木の香りを強く感じたり、ほんのり甘みが目立つように感じたり、その日によって感じ方が違います。体調や煎じ加減によるのかと思います。
当帰四逆湯または当帰芍薬散との1日交互で、基本的には飲んでいましたが、10月頃の1か月は、単剤で続けて飲みました。毎日変化がないことに、だんだん飽きてきましたが、それだけでした。
瘀血が取れてくれば、まずくて飲めなくなるらしいんですけどね。わりと美味しくずっと飲んでた辺り、私はけっこう頑固な瘀血体質なのかもしれません。子宮筋腫も持ってますし。
血府逐瘀湯(けっぷちくおとう)
名前そのまま、瘀血を去る目的の処方です。体を温める作用もあります。
おなかのガスっぽいのは引いてきた、ってことで、2017年1月~折衝飲から変更になりました。
合う患者さんの特徴(参考図書より):
中肉中背で血色のよい人が多い。頭痛、肩こり、のぼせや、肌の乾燥が見られるタイプ。
瘀血の証である下腹部の圧痛がみられる。血府逐瘀湯はこの圧痛が著明だが、温経湯※は軽度の場合が多い。
生理不順、月経困難症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、不妊症などに用いる。※温経湯:参考図書では、血府逐瘀湯と同じ項目で紹介されています。微妙な使い分けをするようです。
飲むと、喉の奥に、苦みがフワーッと広がります。甘みも感じます。苦みと香りとほのかな甘み、ていうのはコーヒーに近いものを感じますが、似ているようでやっぱり違う、ちょっぴり後を引く苦みです。
これも、合わない人には相当マズイと思うんですが、私はすごく美味しいです。煮ていると、栃のような香りが漂うのも面白いです。
という感じで、飲み始めはたいそう美味しかった「けっぷ」ですが、その後だんだん不味くなりました。そのへんの味の変化は、別記事で詳しくやろうと思います。
漢方薬は、三年三ヵ月三日飲め(服用期間の話)
「漢方薬は、合えば美味しい」と言いますが、その他に「三年三ヵ月三日飲め」とも言うそうです。
芯から体質が変わるには、このくらいの期間が必要である、という意味です。
玄和堂診療所(私が通ってる)の患者さんでは、以下のデータがあります。
★1000人が妊娠した期間(平成19年12月~平成25年1月)における、来院した患者総数3285人に対する妊娠率:
服用期間3カ月以上では、全症例よりも妊娠率が高いことから、漢方薬の長期投与が有効なことが示唆されます。★妊娠1000例(上記グラフの妊娠例)における、妊娠までの漢方薬服用期間:
6ヵ月以上1年未満の服用で妊娠に至った方は全体の半分を占め、約75%の方は1年半以内の服用で妊娠しています。
また、約25%の患者さんが希望を捨てずに長期服用して妊娠しています。治療実績 – 玄和堂診療所より。説明文は抜粋・編集してます
自分の場合
服用を続けて1年と数ヵ月が経ちました。けっこう経ったね、って感じですが。
漢方の視点で見ると、西洋的な不妊治療で使うホルモン剤は、うまく使わないと瘀血(おけつ)を溜めるそうです。
私は、西洋薬を飲んでの治療を、のべ1年以上行ってきたので、その分をリセットするには同じくらいの時間が掛かるのかもしれない、と最近は考えています。
クロミッド(初歩的な排卵誘発薬)を飲んでた頃は、だんだん生理の量が減ってきて、なんかイマイチな物を飲んでる気分が捨てきれませんでした。
漢方薬は美味しいですし、だんだん冷えにくくなってきたり、おなかがガスで張って痛むことがなくなったり、と良い変化が感じられるので、このまま焦らず続けていこうと思います。
もう一息って感じはしています!
その1はこちら↓
参考図書(かかってる先生が書いた):
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